事例紹介|多忙解消委員会

事例紹介CASE

岐阜市

このインタビューでは、岐阜市教育委員会学校指導課教職員係の芳賀先生に岐阜市における働き方改革の取り組み、“学校の健康診断”導入の背景、そして今後の展望についてお伺いしました。

 

ARROWS:まずは芳賀先生の自己紹介をお願いします

 

平成7年に教員として採用され、3校の小学校、研究実習校、僻地派遣を経て、現在は教育委員会で勤務しています。研究実習校では、道徳教育というフィールドで朝から晩まで夢中になって研究に没頭していました。その後、郡上の僻地校に移ったタイミングで自分の働き方や生活のあり方など様々なことを見つめ直しました。やるべきこととそうでないことを見極めながら無駄を削ぎ落としていく中で、ある意味自分自身の働き方改革を行っていました。その後、教育委員会に移り学校業務の改善や改革に携わりながら現在に至ります。

 

ARROWS:岐阜市における働き方改革の取り組みについて教えてください

 

岐阜市では教職員サポートプランというプロジェクトの中で学校の働き方改革を支援しています。元々このプロジェクトは教育委員会の各種事業を教員の方々に説明する立ち位置で働き方改革との携わりはあまりありませんでした。その後、世の中全体が働き方改革に注目する中で本プロジェクトも文字通り教職員を”サポート”するプログラムになっていきました。

 

 

具体的な動きとしては、まず定期的に特定月の業務内容や勤務時間など勤務状況を調査していました。また、不要だと思われる業務の削減を進めていきました。削減した業務は指導案の作成、研修の事前資料や一部の講座そのもの、学校掲示物、そしてその他細々とした業務も多くありました。無くすのはやはり勇気がいることで、躊躇うこともありましたが、無くした後の様子を見て”無くして良いんだ”と思うことも多々ありましたね。

 

ARROWS:働き方改革に向けた業務改善を行う中で、課題に感じていた部分について教えてください

 

課題は沢山ありますが、大きく分けると2つあると感じています。まず、学校は多様な関係者との兼ね合いで減らせない業務が多々あることです。例えば、業務を1つ減らしても逆にこれを追加やってくれと行政から依頼があったりして業務削減が中々進まないこと。また業務が市教委の範疇であれば我々のコントロールも効きやすいのですが、行政や地域住民などその他の要望である場合、中々削減するとは言いづらいという課題もあります。

 

 

もう1点は管理に関わる業務が増えている点です。世の中全体の傾向としてコンプライアンス管理が厳しくなっていると思います。学校も例外ではなく、生徒の個人情報や安全を守るために様々な管理業務が増えています。個人情報の取り扱いも以前はUSBやPCなど電子端末を中心に管理していましたが、現在では日々のミニテストやアンケートにまで広がりました。また、部活動や体育の熱中症指数の記入作業、いじめ問題、生徒指導のあり方など取り扱うテーマも増えました。

 

 

やることが増える中で業務時間の削減も必要というかなり難しい状況にあると思います。また、それらを様々な関係者と上手く合意形成を図りながら進めていく必要があり、一層業務時間の削減が難しくなっています。

 

ARROWS:“学校の健康診断”導入の理由と期待する成果について教えてください。

 

働き方改革に対して、外部の視点が欲しいと思っていました。我々もやれるだけやってきた、という自負を持っています。これ以上は自分たちで減らすのは難しいだろうという中で、言葉は挑戦的になりますが、“やれるもんならぜひやってほしい”と思っていました。また我々の調査が、調査のための調査になってしまっている部分もあるため、”学校の健康診断”を手を付けるべき改善点が具体化されることに期待しています。

 

 

ただ、外部なら誰でも良いというわけでなくやはり学校という特殊性を理解した上で助言をしてくれる企業でないと上手くいかないとも思っています。ARROWSさんとのお付き合いを決めた理由もまさにその点で、先生側の立場から動いてくれるだろう、という期待がありました。学校の大変さや苦しさを理解した上で現場目線から改善提案を貰えたらと思っています。

 

 

どうしても我々行政側として言いだせないこと、減らせない業務があります。ARROWSが先生側に立ちながら内部からでは中々言い出しづらいことを先生側の立場で行政に上げて改革を進めていく、そんな動き方を期待しています。

 

ARROWS:最後に働き方改革に関わっている他の自治体にメッセージをいただけないでしょうか?

 

学校の働き方改革とは、”一”自治体だけの話ではないと思っています。先生の多忙化がメディアを通して取り上げられるようになって、先生という職業のイメージが悪化したと感じています。多忙で自分の私生活を犠牲にして働いても、1つ問題が起きれば責任を負わされる、そんな負のイメージを変えていきたいと思っています。先生というのは働きやすくて魅力的な職業なんだと、世の中のイメージを変えていくことで多くの人材が集まってより良い教育を提供できるようになると思っています。そのためには”一”自治体だけでなく全国の各自治体が働き方改革に取り組んでいく必要があると思います。